エッセンシャルワーカーの採用から学んだ5つの企業戦略

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が各国で影響を及ぼし始めたとき、雇用者はそれまで想像もできなかったような状況に突然陥りました。多くの業界では、大幅な業務の変更や縮小を余儀なくされ、雇用の新たな課題が生み出されました。その一方、エッセンシャルワーカー(社会インフラを支える必要不可欠な労働者)の職場である、食料品店、薬局、大型スーパーなどのいくつかの業種やビジネスでは、これまで以上に売り上げが伸長し、生活必需品の需要の増加に対応するため、奮闘しなければなりませんでした。

現在では、多くの業種が続々と営業を再開しており、新しい生活様式を取り入れながら営業するために調整が始まっています。過去数ヶ月にわたって業務を制限または休業せざるをえない企業は、活動する機会を増やす準備をしながら、新しい人材を採用し、彼らをサポートする方法を模索しているでしょう。 

しかしながら、我々はまだAfterコロナの時期には入っていません。主要都市などでの感染症例は依然として増えております。

 

健康面への懸念が続く—失業率が上昇する中でも

現在、日本での失業率は2%台を維持していますが、世界経済に大打撃を与えた2008年9月のリーマンショックの翌年には、失業率が5.5%まで上昇し、戦後最高水準にまで達しました。新型コロナウイルス感染症が、いまだに世界各国を混乱に陥れている中、今後の影響はまだ見通せない状況です。

こうした時期だからこそ、社会インフラを支えるワーカーを抱える企業では、必要な人材を採用し、維持することが簡単に思えるかもしれません。しかし、労働者は、外に出る仕事に対してリスクを感じながらも、健康よりも収入を取るかのジレンマに陥っています。日本も不要不急の外出について自粛が求められるなか、感染のリスクを抱えながらもエッセンシャルワーカーは一生懸命働いてくれています。そしてこうしたリスクを孕んでいる仕事内容だからこそ、今後の新型コロナウイルス感染者の推移によっては、求職者がエッセンシャルワーカー(医療以外)への仕事の応募をためらう可能性があります。

したがって、このような環境下でも、企業は長期的な採用成功を収めるために、どのように採用するかを慎重に検討する必要があります。 

 

コロナ影響下での重要なビジネスの採用戦略と定着戦略

求職者と従業員が業務上での健康面のニーズを重視し続ける中、貴重なスタッフを確保しながらも、適時採用を行うため、健康面に対する従業員の懸念を払拭する革新的な適応策を一部の企業ではすでに発見し実施ています。 

特に、面倒な手続きのいらない採用プロセスや、従業員への配慮を示すことなどが、人材の発掘と定着の鍵となるでしょう。新しい採用戦術をうまく活用している企業が実践している戦略の一部を見てみましょう。

 

安全衛生対策を倍増させる:従業員や求職者にとっての悩みは、一般的な仕事の悩みよりも「衛生面での安全性」であることが、多くの雇用主から報告されています。一部のスーパーマーケットなどでは、早い段階で店内のレジに並ぶ際、ソーシャル・ディスタンスを保つために行列誘導シールを導入していました。また最近では、業種を問わず対面での接客が必要な店舗における従業員の感染予防のために、飛沫防止パネルなどを設置しています。そのほかにも、清掃の時間を十分に確保するために、一部の場所や時間帯を利用制限をする会社もあるようです。従業員のニーズに合わせた安全対策に取り組むとともに、国の衛生ガイダンスに従い、従業員を保護する方法を明確にしましょう。

採用プロセスのスピードアップ:
Walmart(アメリカの大手スーパーマーケットチェーン)の採用方法は、限られた時間の中で大量の従業員を効率よく採用する代表的な成功例の一つです。従業員をできるだけ早く採用するため、正式な面接や内定書を必要としないことで採用プロセスを削減し、代わりに店長がその場ですぐに口頭で内定を出すことができるようにしました。この結果、通常の2週間かかる採用プロセスを 24時間以内に短縮しました。同社は、2020年3月から5月にかけて15万人の雇用を目標に掲げていることを考えると、このスピードの必要性は不思議ではありません。採用プロセスを検証し、効率性を上げるために、どの分野を見直すか検討すべきでしょう。

従業員への感謝の気持ちを高める:
多くの求人がある中、雇用主はどのようにして人材を確保しているのでしょうか。極めて重要な従業員は、多くの事業やビジネスを健全に運営するための鍵であり、一部の雇用主は今まで以上に意識的に彼らに感謝を示しています。新型コロナウイルスが蔓延している中、ゼスプリインターナショナルジャパンは、全国のスーパーマーケットや青果店で通常通り勤務する従業員に感謝の気持ちを表すため、キウイの差し入れをしました。また、別の事業者では、負担が増えている従業員に対して、感謝金の配布を行っています。このように心ばかりでも、感謝の気持を表現することにより、大切にされているという気持ちを従業員に抱いてもらうことに大いに役立ちます。

創造的で新しい採用情報源を使用する:
Albertons(アメリカの大手食料品会社)は、これまで小売販売にしか利用されていなかったプラットフォームを活用して、消費者ロイヤルティプログラムに求人情報をメールで送ったという、枠にとらわれない発想を実施しました。同社はさらに、自社アプリと顧客向けサイトに採用バナー広告を配置しました。その結果、Albertsonsの採用ページでは、アクセス数が通常の3倍に急増しました。活用できる既存のプラットフォームがないか確認してみましょう。

新しいパートナーシップの構築:
深刻な経営難により、従業員の雇用削減が余儀なくされた企業に、他の企業が採用支援に乗り出しました。アメリカのヒルトンおよびマリオットなどのホテル大手は、このような状況下でも安定したサービスの供給が求められる業種を中心に、倉庫管理、物流、カスタマーサポートなど小売業者とパートナーシップを結び、雇用削減によって解雇されたホテル従業員の再就職支援を迅速に進めました。これらの提携により、採用をする企業にとっては、業務上必要とする、顧客対応のスキルやバックグランドの経歴を持った候補者を大量に採用することができ、さらに雇用問題に対しての社会貢献への取り組みに繋げることができました。

 

これからの道のり

多くのエッセンシャルワーカーを抱える企業が、withコロナの中でどのように営業を再開し、雇用を拡大するか模索しながら、新しいチームメンバーを受け入れ成長しています。そのような企業から学ぶべき教訓がたくさんあるでしょう。

世界的にストレスを抱える出来事が多発している中での採用は難しいかもしれません。このようなの時代に、人材を見つけ維持するためには、これまでの従来のやり方ではなく新しい対策が必要になります。柔軟性を保ちこれらの企業の戦略を参考にし、新しいことに取り組んでみましょう。このような困難な時代でも、成功のための選択肢が想像以上にあることに気づくかもしれません。

原文はこちら:5 Employer Strategies Learned from Hiring Essential Workers