リモートワーカーを成功に導くための働き方改革

かつては珍しかったリモートワークも、今日では一般的となり、従業員に求められる働き方になりつつあります。調査によると、米国の労働者のうち40%から70%が、少なくとも週に1回は在宅勤務をしていると推定されています。また、米国での求職者のうちほぼ半数が、「リモートワークができることが、仕事を選ぶ上で重要な要素である」と答えています。

テレワークと言うと、自宅で仕事をせずに、パジャマを着て寝転んでいるという固定観念を持つ人もいるかもしれません。しかし、中国の大手旅行会社を対象に、スタンフォード大学が2年間に渡って行った調査によると、リモートワーカーの生産性は在宅勤務の方がはるかに高く、一日余分に働いているのと同等の生産性を持っていることがわかりました。また、Indeedの最近の調査でも、従業員と雇用主の大多数が、リモートワークは生産性の向上につながると感じていることがわかっています。

リモートワークに課題がないわけではありません。孤立感を感じたり、チーム活動に参加できなかったり、モチベーションが下がったりすることもあるでしょう。実際、従業員とマネージャーの間でコミュニケーション不足による問題が、すでに浮き彫りになってきています。44%の労働者が、プロジェクトの完了が遅れたり、失敗したりしたことがあると答えています。距離が離れていることにより、状況はさらに悪化してしまう可能性があります。

では、オフィス外で働いている従業員のパフォーマンスを最大限に引き出すにはどうすればいいのか、以下を参考に考えてみましょう。

戦略的なコミュニケーションを図る

リモートワークでは、井戸端会議のような仕事以外の話題について気軽に話し合う機会がありません。同僚間でのメッセージのやり取りやビデオ通話も人気ですが、必ずしもこれまで通りのコミュニケーションが取れるとは限りません。研究によると、対面での会話は信頼を築きやすく、コミュニケーションの微妙な部分に注意を払うことができます。

リモートワーカーが時折オフィスに出社する場合は、対面で話す時間を最大限に確保するようにしましょう。予定が合わず難しい場合は、ビデオ通話や電話を利用しましょう。これらのツールは、メールやチャットなどの書面でのコミュニケーションよりも、対面での会話の環境により近づけることができます。

オンラインミーティングを行う際には、よりスムーズな進行のため、いくつかの明確なルールを設定してください。例えば、ミーティング中に、他のデバイスを使用するなどのマルチタスクを禁止します。他の作業をしていると気が散りますし、非効率であることが科学的にも証明されています。また、オープンな会話ができるよう、スケジュールに縛られない自由参加のミーティングの設定や、議題に対して出席者全員で話し合えるミーティングのように、従業員全員が共有する機会を確保する必要もあります。

多くのリモートワーカーは、孤独で取り残されていると感じることがあるため、頻繁にコミュニケーションを取ることも重要です。上司と同じプロジェクトで仕事をしていない場合は、定期的に連絡を取り進捗や状況など聞き、孤立や混乱を防ぎましょう。

一方で、従業員から絶えずメッセージを受け取っている場合は、境界線を設定したり、オフィスで勤務するほうが適切かどうかを考えたりする時期かもしれません。

明確な期待値を設定する

メールやチャットなどのテキストベースの会話では、対面で雑談をするときに感じる表情やしぐさを排除してしまうため、文字のみの情報では多くのことが失われてしまいます。

例えば、笑顔と背景情報がなければ、気さくなリクエストだったつもりが、高圧的に伝わってしまうことがあります。意図がはっきりしていても、人は対面での依頼よりもメールでの依頼の方が反応しにくいのです。

だからこそ、労働者との間で具体的な期待値を設定することが重要なのです。求められている仕事の概要を明確に示し、従業員に何を期待しているのかを説明し、いつまでにそれが必要なのかを伝えます。その上で、従業員が抱いている質問に答えられるようにしましょう。

物事をパーソナライズする

オンサイト社員に比べて、オフサイト社員であるリモートワーカーは、同僚からの自分に対する噂話に敏感で、優位性をアピールする戦いには参加したくないと感じています。そのため、オンサイト社員とオフサイト社員の間だけでなく、リモートスタッフ間の信頼関係やつながりを築くことが重要です。

リモートミーティングと同様に、チーム全体が一緒に過ごす時間があるときには、意識的にチームメンバーの人となりを理解するための時間を取り入れ、関係性を構築するのに役立ちます。研究によると、こうした時間は、チームメンバーがお互いをよりよく理解し、パフォーマンスを向上させるのに役立つことがわかっています。

ある例では、ワーカーがお互いのワークスペースをバーチャルで「見学」することで、相手の態度や行動を知ることができました。また、ハーバード・ビジネス・スクールでは、電話の最初の6分間だけでも、従業員が今取り組んでいることを共有したり、私生活のことを話し合ったりすることで、チームの仕事上の関係が改善されることを発見しました。

最後に、従業員がリモートだからといって、顔を合わせる機会がないわけではありません。チーム全体でオンサイトまたはオフサイトのミーティングを開催したり、リモートワーカーが出張を行ったりして、直接顔を合わせて交流する機会を設けましょう。

まとめ

リモートワークの形態は、週に1~2日自宅にいる人から、本社とは全く異なる都市(国)に住んでいる人まで様々です。また、リモートワークにどれだけ適しているかという点でも職種は異なります。

リモート従業員を管理するための最善のアプローチは、チームや組織によって異なります。たまにしか在宅勤務をしない従業員に対しては、マネージャーはオフィス内で働く従業員と同じアプローチでトレーニングすることができます。しかし、チーム全体がリモートで仕事をしているマネージャーは、明確なコミュニケーションの取り方や目標達成の方法について、通常とは異なる戦略が必要になるかもしれません。

従業員からの要望により在宅勤務ができるようにすることは、優秀な人材を引きつけ、確保することができます。また、リモートワークの課題を先取りすることで、地理的に分散したチームの結束力を高め、成功に導くことができます。

 

原文はこちら:Setting Remote Workers Up for Success